動物の中で、いちばん噛む力が強いのはどの生き物だと思いますか?
ライオン?クマ?サメ?それともワニでしょうか?
今回は、実際に地球上に存在する動物たちの「咬む力(咬合力)」を比較して、ランキング形式でご紹介します。
数値で見ると意外な結果が出ていて、「あの動物がそんなに強かったの!?」と思うかもしれません。
咬む力という視点で見ると、動物たちの“本当の強さ”が見えてきます。
あなたの予想は当たるでしょうか? それでは見ていきましょう!
噛む力が強い動物ランキングトップ7
kgf/cm²とは?
kgf/cm²(キログラム重毎平方センチメートル)は、1cm四方の面にどれくらいの重さがかかっているかを表す単位です。
この小さな面に、どれだけの力(重さ)がかかるかを見ることで、噛む力の強さを数字で比べることができます。
第7位:ジャガー(105.5kgf/cm²)
ジャガーは中南米の熱帯雨林や湿地、サバンナに広く分布している大型のネコ科動物で、ネコ科の中でも特に咬合力が強いことで知られています。体は筋肉質でがっしりしており、泳ぎも得意なことから、水辺での狩りも頻繁に行われます。ジャガーは、他のネコ科動物とは異なり、獲物を首からではなく頭蓋骨や甲羅に直接噛みつくことが多く、これを一撃で砕いて仕留める力を持っています。その咬合力は105.5kgf/cm²に達し、これは頭の骨や硬い甲羅を一瞬で破壊するほどの威力です。105.5kgf/cm²は、頭蓋骨を一撃で破壊できるレベルです。
105.5kgf/cm²で砕けるもの
- 鹿の頭蓋骨
- 野生のカメの小型甲羅
- 固く焼いた骨付き肉
第6位:カバ(126.5kgf/cm²)
カバはサハラ以南のアフリカに生息する大型の草食哺乳類で、昼間は水中で過ごし、夜になると陸に上がって草を食べるという生活を送っています。一見のんびりした印象ですが、実は非常に縄張り意識が強く、ワニや人間さえも襲うことがあるほど攻撃的です。咬合力は126.5kgf/cm²に達し、これは肉食動物顔負けのレベルです。巨大な口と牙で敵を押さえ込み、一撃で骨を砕くことも可能です。草食でありながら、これほどまでの咬合力を持っている動物は珍しく、自然界でも強い存在感を放っています。126.5kgf/cm²は、ココナッツや人間の骨を粉砕するレベルです。
126.5kgf/cm²で砕けるもの
- ココナッツ(丸ごと)
- 果物の種(マンゴーなど)
- 厚手の竹の節部分
第5位:アメリカアリゲーター(149.4kgf/cm²)
アメリカアリゲーターは、アメリカ南部の沼地や川などに生息する大型のワニの仲間で、最大で4メートル以上に達することもあります。主に魚や鳥、小型哺乳類などを捕食しますが、必要とあらばより大きな獲物に挑むこともあります。その咬合力は149.4kgf/cm²とされており、獲物を骨ごと噛み砕くことができます。特に有名なのが「デスロール」と呼ばれる攻撃方法で、噛みついたまま体を高速で回転させて獲物を解体します。この動きは強力な咬合力とセットで機能し、非常に効果的です。149.4kgf/cm²は、亀の甲羅や大腿骨を砕けるレベルです。
149.4kgf/cm²で砕けるもの
- 小型の亀の甲羅
- 豚の関節骨
- サッカーボールを押し潰す程度の硬さ
第4位:イリエワニ(260.1kgf/cm²)
イリエワニは東南アジアやオーストラリア北部の沿岸部に生息する世界最大級のワニで、6メートルを超える個体も確認されています。淡水にも海水にも適応できるため、生息域が広く、多様な獲物を捕食しています。イリエワニの咬合力は260.1kgf/cm²に達し、これは骨や甲羅などの硬い部位を簡単に噛み砕けるほど強力です。一度噛みついたら離さず、「デスロール」で肉を引きちぎりながら食べるのが特徴です。この顎の力は獲物を仕留めるだけでなく、体ごと解体する能力も兼ね備えています。260.1kgf/cm²は、硬い骨を軽々と噛み砕くレベルです。
260.1kgf/cm²で砕けるもの
- 豚の骨付き肉
- 太めの鶏骨(丸ごと)
- 魚の背骨と頭部
第3位:ホホジロザメ(281.2kgf/cm²)
ホホジロザメは、世界中の温帯や冷たい海に広く分布する大型の捕食魚で、最大で6メートル以上に成長することがあります。彼らは視力や嗅覚が優れており、海中での狩りに特化した身体構造を持っています。その咬合力は281.2kgf/cm²とされ、これはサメ類の中でもトップクラスの力です。獲物にはアザラシやウミガメ、時にはクジラの死骸なども含まれ、鋭い歯と強力な顎で骨ごと噛み砕いて捕食します。歯は何度も生え変わるため、常に鋭さを保っています。281.2kgf/cm²は、厚い甲羅や骨を貫通するレベルです。
281.2kgf/cm²で砕けるもの
- 大型の亀の甲羅
- アザラシの頭蓋骨
- 固く乾燥した海岸の貝殻
第2位:ナイルワニ(351.5kgf/cm²)
ナイルワニはアフリカの河川や湖沼に生息する大型のワニで、全長5メートル以上に達することもある非常に強力な捕食者です。古代エジプトでは神の化身とされていた歴史を持ち、現在でも人間を襲う例が報告されるほど危険な動物です。彼らの咬合力は351.5kgf/cm²と非常に高く、骨を簡単に砕くことができます。水中で獲物を捕らえた後は、「デスロール」で回転しながら肉を引き裂きます。この力と技術が合わさることで、ナイルワニは水辺の王者として君臨しています。351.5kgf/cm²は、牛の大腿骨を一撃で砕くレベルです。
351.5kgf/cm²で砕けるもの
- 牛の大腿骨
- 調理用の豚の骨付き肉
- 分厚いスイカの丸ごと破壊
第1位:シャチ(1335.7kgf/cm²)
シャチは地球上のすべての海に分布している大型の海洋哺乳類で、クジラの仲間に分類されます。非常に高い知能と社会性を持ち、群れでの狩りを行うことが特徴です。獲物にはアザラシやサメ、小型クジラまでもが含まれ、連携した戦略的な捕食行動をとります。シャチの咬合力は1335.7kgf/cm²と推定されており、これは現存する全動物の中でも最強クラスの咬合力です。この力で骨ごと獲物を丸呑みにすることもあり、水中での圧倒的な強さを誇ります。1335.7kgf/cm²は、車のドアや金属パイプを変形させるレベルです。
1335.7kgf/cm²で砕けるもの
- 車のドア
- 金属パイプ(中空)
- 冷蔵庫の外装
まとめ
いかがでしたか?
「動物の噛む力ランキングトップ7」を見てみると、意外な結果が浮かび上がってきます。ネコ科の中では最強クラスの捕食者として知られるライオンやトラがランキングに入っておらず、代わりにジャガーが唯一登場しているのは驚きです。実はジャガーは、骨を噛み砕くことに特化した“咬合特化型”のネコ科なんですね。
一方で、ワニが3種ランクインしているのは予想通りともいえます。古代から存在する彼らの強靭な顎と筋肉は、咬合力において圧倒的な威力を誇ります。咬むという行為に特化した構造が、数値にもはっきりと表れています。
そして海の王者、シャチは圧倒的な咬合力で堂々の1位。魚類でありながら哺乳類としての知能と筋力を兼ね備え、まさに最強の捕食者といえる存在です。
咬合力という視点から動物たちを見てみると、普段の印象とは異なる「真のパワーバランス」が見えてきて面白いですね。あなたが思っていた「最強の動物」はランクインしていましたか?
出典