地球には、思わず凍えてしまいそうなほど寒い場所がいくつもあります。特に北極圏や南極大陸では、氷点下50度を超える極寒の世界が広がっています。
この記事では、そんな極寒地帯を抱える「世界で最も寒い国トップ7」をランキング形式でご紹介します。
聞いたことのある場所から、初めて知る地名まで、驚きの気温とユニークなエピソードが満載です。寒さの限界を超えた世界を、ぜひ最後までお楽しみください!
世界で最も寒い国ランキングベスト7
第7位:ロシア北極圏沿岸部(-53.1°C〜-47.2°C)
ロシアの北極圏沿岸部には、ノリリスクやディクソン島といった都市があります。この地域はシベリアの北端に位置し、1年のほとんどが冬のような寒さに包まれています。
特にノリリスクは、世界で最も寒い大都市のひとつとされ、極寒の中でも18万人以上が生活しているのが驚きです。街全体がツンドラ地帯にあり、建物の基礎は永久凍土の上に建てられています。
そのため地盤沈下を防ぐために、パイプを通して冷気を循環させる工夫もされています。また、この地域では外に出るとまつ毛が凍るという体験も日常茶飯事です。まさに、自然との共存を感じられる都市なのです。
第6位:カナダ北極圏沿岸部(-55.3°C〜-52.1°C)
カナダの北極圏沿岸部には、エウレカやトゥクトヤクトゥクといった極地の町が点在しています。特にエウレカは、カナダで最も寒い定住地として知られ、冬には-50度を超える寒さになることもあります。
この地域では、冬が9カ月以上続き、夏でも氷が解けきらないことがあります。日照時間も極端で、冬はほとんど日が昇らず、夏は白夜が続くという独特の自然環境が広がっています。
寒さのあまり、屋外で金属に触れると皮膚が張り付いてしまうという話もあるほどです。にもかかわらず、科学者たちはこの過酷な環境で地球温暖化の研究を続けています。寒さとともに生きる、まさにフロンティア精神あふれる地域です。
第5位:プリュート・ベイ&フェアバンクス(-56.7°C~-54.4°C)
アメリカ・アラスカ州のプリュート・ベイとフェアバンクスは、北米でも特に寒さが厳しいエリアです。プリュート・ベイは北極海に面した極北の町で、冬には-50度を下回る日も珍しくありません。
一方、内陸にあるフェアバンクスは、オーロラ観測地として有名ですが、実は極寒地としても知られています。興味深いのは、ここでは車のエンジンを切ると凍ってしまうため、エンジンをかけっぱなしにして駐車することがあるということです。
また、屋外に置かれた飲み物は数分で凍り、外出時は何重にも重ね着をする必要があります。それでも人々はこの寒さの中、スノーモービルや犬ぞりなどで元気に活動しています。寒さを逆手に取ったアラスカ流の暮らしが感じられます。
第4位:スナグ&ユーコン(-63.0°C)
カナダ・ユーコン準州にあるスナグ村は、1947年に-63.0°Cという北米史上最低の気温を記録した場所です。この地域は標高が高く、内陸にあるため冬の寒気が逃げにくく、極端な低温になります。
村は現在ほとんど無人ですが、その気温記録は今でも破られていません。ユーコン全体も極寒地帯として知られ、冬には日中でも-40度を下回ることが珍しくありません。
寒さのあまり、息を吸い込むと喉が凍りそうになることもあるそうです。それでもユーコンでは犬ぞりレースや氷上釣りなど、寒さを楽しむ文化が根付いています。極限の環境を遊び心で乗り越える、そんなたくましい精神に心を打たれます。
0℃以下で起こる現象
0℃を下回ると水が凍り始めますが、さらにそれ以下の温度になるとどんな現象が起こると思いますか?
トップ3の前に、気温別に起こる現象を見ていきましょう!
0℃以下で起こる現象
0℃:水が氷になる(凍結点)。水の密度が最大になるのは約4℃です。
-10℃:食品の冷凍保存が可能になります(家庭用冷凍庫は-18℃目安)。雪はさらさらと軽くなり、パウダースノーになりやすくなります。
-20℃:皮膚が霜焼け・凍傷を起こしやすくなります。呼吸した空気で鼻毛が凍ることもあります。
-30℃:ゴムやプラスチックが硬くなり、割れやすくなります。自動車のバッテリー性能も大幅に低下し、エンジンがかかりにくくなります。
-40℃:野生動物の活動がほとんど見られなくなります。液体窒素の沸点は-196℃のため、この温度ではまだ液体のままです。
-50℃:通常の潤滑油が固まり使えなくなります。非常に濃いアルコール以外の液体は凍り始めます。
-60℃:バナナやウィンナーが釘のように硬くなり、木に打ち込めるほどになります。カーボン鋼などの金属が脆くなる温度帯です。
-70℃:極低温用の特殊な潤滑油が必要になります。電子機器、特に液晶ディスプレイなどが正常に動作しなくなることがあります。
-80℃:二酸化炭素が固体(乾氷)になります。呼吸時に肺の中の水分が凍り、深呼吸が非常に危険になります。
-90℃:一部の極低温冷却技術で使用される温度帯です。液体ヘリウムの沸点は-268.9℃のため、この温度ではまだ液体にはなりません。
想像のつかない世界ですね、、、
ランキング1位の地域はいったい何度なんでしょうか!?
それではトップ3行ってみましょう!
第3位:チェルスキー周辺(-61.2°C)
ロシア・サハ共和国の北東部にあるチェルスキーは、人口数千人の小さな町ですが、最低気温-61.2°Cという記録を持つほどの寒さで知られています。この地域は北極圏に近く、シベリアの冷気が直撃する場所に位置しています。
冬になると太陽が数週間昇らない「極夜」と呼ばれる現象が起こり、暗闇と寒さに包まれた日々が続きます。住民は寒さ対策として、防寒着の上からさらに動物の毛皮を着込むのが一般的です。
また、外に出た瞬間に鼻毛が凍るというエピソードも有名です。それでもチェルスキーの人々は自然と向き合いながら、狩猟や釣りなど伝統的な生活を大切にしています。まさに、氷の世界に根を下ろす人々の強さが感じられる場所です。
第2位:オイミャコン&ベルホヤンスク(-71.2°C)
ロシア・サハ共和国の内陸部にあるオイミャコンとベルホヤンスクは、「世界で最も寒い定住地」として有名です。特にオイミャコンでは、記録された最低気温-71.2°Cにも達し、地球上で人が住んでいる場所としては最も寒いとされています。
驚くべきことに、こんな寒さの中でも学校は-52°Cを下回らない限り休校にならないというルールがあるそうです。また、外でトイレに行く際には凍傷を防ぐため、わずか数十秒の移動でも完全装備
オイミャコンでは車を屋外に置くと一瞬で凍って動かなくなるため、エンジンを夜通しつけっぱなしにするのが当たり前です。まさに、寒さとともに生きる過酷でたくましいライフスタイルが存在する場所です。
第1位:南極高原(-89.2°C)
堂々の第1位は、南極大陸の中心部に広がる南極高原です。ここでは、1983年にボストーク基地で記録された-89.2°Cが、地球上で観測された最低気温として知られています。
この数字は、冷凍庫の中よりもはるかに寒く、人間が無防備にいれば数分で命の危険があるほどです。南極高原は標高3,000メートル超で、さらに一年を通して太陽の熱が届きにくい位置にあるため、極端な低温になるのです。
基地に勤務する科学者たちは、特別な防寒服を身にまといながら、地球の気候変動や氷床の研究を行っています。また、この地域では「外に出たらまつ毛も鼻水も一瞬で凍る」という現象が日常です。まさに、地球上で最も過酷で、最も神秘的な氷の世界が広がっています。
北極と南極の違いは?
比較項目 | 🧭 北極 | 🧊 南極 |
---|---|---|
場所 | 北緯66.5度以北(北極圏) | 南緯66.5度以南(南極圏) |
中心にあるもの | 海(北極海) | 陸(南極大陸) |
地形 | 浮かんだ海氷と周囲の陸地 | 厚い氷におおわれた大陸 |
気温 | 冬:約−40℃、夏:0℃前後 | 冬:約−60℃、夏:−20℃前後 |
最低気温記録 | 約−69℃(シベリア) | −89.2℃(ボストーク基地)=地球最低 |
氷の厚さ | 数メートル〜数十メートル | 平均2,000m以上(場所によっては4,700m) |
標高 | ほぼ海抜0m | 平均2,300m以上(地球一高い大陸) |
生き物 | ホッキョクグマ、アザラシ、トナカイなど | ペンギン、アザラシ、ナンキョククジラなど |
人が住んでる? | はい(先住民族や北極圏の町) | いいえ(研究者だけが基地に滞在) |
所属している国 | 複数の国にまたがる | どの国にも属さない(南極条約) |
観測基地 | 各国が島や海氷上に設置 | 各国が南極大陸に常設 |
太陽の動き | 6月ごろに白夜、12月ごろに極夜 | 12月ごろに白夜、6月ごろに極夜(季節が逆) |
北極にはホッキョクグマ、南極にはペンギン!
よくある間違いですが、ホッキョクグマとペンギンは同じ場所にはいません!
ホッキョクグマは北極圏に、ペンギンは南極周辺に生息しています。つまり、自然界でこの2匹が出会うことはないんです。
南極のほうが寒いのは、以下の理由があります
- 大陸で標高が高い
- 海に囲まれていないので温まりにくい
- 日光の当たる角度が浅くて熱が届きにくい
- 空気が非常に乾燥している(湿度が少ないと冷えやすい)
このため、地球でもっとも寒い場所は南極となっています。
ポイント | 北極 | 南極 |
---|---|---|
海 or 陸? | 海 | 陸 |
生き物 | ホッキョクグマなど | ペンギンなど |
人が住む? | 住んでいる | 住んでいない |
どっちが寒い? | 寒い | もっと寒い! |
まとめ
世界で最も寒い国々を見てきましたが、どの地域にも驚くような寒さと、それに立ち向かう人々のたくましい暮らしがあります。
極寒地帯では、寒さをただの障害ではなく、文化や生活の一部として受け入れているのが印象的です。
地球にはまだまだ、私たちの想像を超える環境が存在しています。次に寒い日が来たときには、「世界にはもっと寒い場所がある」と思い出して、少しだけ心を強く持てるかもしれません。